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富士山世界文化遺産登録が決定致しました。

2013.07.07(Sun)

今年も早いもので7月となりました。関東甲信地方は7月6日に梅雨明けの発表があり、平年より2週間も早い梅雨明けとなりました。まだまだ天候も変わりやすく気温の変化に体を対応させるのも大変な季節かと思いますので体調管理には気をつけてお過ごし下さい。


山梨県と言えばやっぱり富士山!!そんな富士山が世界文化遺産として世界遺産への登録が決定致しました。




富士山が世界遺産登録となったことで世間を騒がせていますが、「世界遺産」とは1972年国連教育科学文化機関(ユネスコ)で世界遺産条約が採択されたのが始まりで、将来に残したい貴重な遺跡や環境を人類全体の遺産として保護することが目的とされています。世界遺産には遺跡や建造物が対象の「文化遺産」、貴重な環境が対象の「自然遺産」、両方の性格を持つ「複合遺産」の3つのカテゴリーがあります。


登録の為には国内の暫定リストに載る必要があり、国がその中からユネスコに推薦し、最終的に年1回開かれる世界遺産委員会※1が決定します。

※1 世界遺産委員会とは、世界遺産に関して話合うための国際連合教育科学文化機関の委員会。世界遺産条約締結国のうち21カ国の委員会からなる。


日本は1992年に世界遺産条約を批准し、「自然物であり、世界遺産として登録すべき」といった意見が大半であったため、自然遺産としての登録を目指していましたが、世界遺産委員会が定める評価基準に「自然遺産」として適合することができず自然遺産への登録が認められませんでした。


【適合できなかった理由】


①既登録地との比較…既に登録されている世界遺産と比較してみると、富士山のような円錐形の独立峰は世界に幾つか存在している。


②多様な火山タイプを含んでいない富士山は成層火山であり、ごくありふれたものである。


③利用されすぎによる改変…「自然遺産」は自然の雄大さがそのままの状態で保たれていることが重要である。しかし富士山は人間の手によって利用されすぎてしまい、本来の自然が残っているとはいえない状況にある。


④ゴミ・し尿処理などの問題…富士山は長年、ごみの不法投棄や産業廃棄物の場所として活用されてきてしまったり、登山道のトイレ整備が確立されていなかったりと管理体制の確立が必要である。



しかし富士山は日本で古来から信仰の象徴となっており、非常に長い間日本人の敬愛を受け続けてきました。また、葛飾北斎の浮世絵などが西洋芸術に大きな影響を与えたとういうことが決め手になり今度は「文化遺産」として世界遺産登録を目指すこととなりました。

葛飾北斎 赤富士



平成19年、国の文化審議会文化財分科会において、世界文化遺産暫定リストの追加候補として選定し、第31回世界遺産委員会において暫定リスト入りが決りました。平成22年に2月23日を富士山の日に制定し、さらに機運を盛り上げ、平成23年7月にユネスコへの推薦書提出を目指すこととしました。

日本政府より富士山の推薦書(平成23年に暫定版/平成24年に正式版)をユネスコ世界遺産センターへ提出。これを受け平成24年8月29日から9月5日にかけ、イコモス調査員のリン・ディステファノ氏が現地調査を行いました。
そして平成25年5月23日にイコモス※2による評価結果と勧告が世界遺産委員会へ提出され、第37回世界遺産委員会にて、三保の松原を含め富士山の世界文化遺産登録が決定致しました。

※2 イコモス(ICOMOS)とは、国際記念物遺跡会議(International Council on Monuments and Sites)の略称です。
パリに本部を置く国際的な非政府組織(NGO)で、ユネスコの諮門機関のひとつです。世界遺産条約に基づき世界遺産登録への可否を事前に審査する機関として知られている。


(三保の松原から見る富士山)


富士山は世界遺産へ登録の話が何度も出ていましたが、さまざまな問題がありなかなか登録へと至りませんでしたが今回の世界遺産登録は日本にとって嬉しい出来事であること同時に世界中から注目される良いきっかけになると思います。また、世界遺産は登録が目的ではなく富士山の環境を守っていくことが目的なので、登録をきかっけに自然保護、地球環境問題への意識が高まることを期待したいです。






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